ねた〜!と思ったけどやっぱり5時前から起きている.ぐっと眠れたせいか「眠り」に今朝は達成感がある。
夏になると心は必ず海へとたどり着く。実際に行くかは別。まだ健康だった数年前の夏に絵本作家のS氏とその仲間達と2泊で伊豆方面に行った。何にもない静かな小さな漁港のS氏が毎年必ず訪れる民宿に泊まった。渡してもらった小さな島は砂浜ではなくて大きめの石がゴロンゴロンしていてとても歩くのが困難で痛い。海の水はとても澄んでた。持ってきた浮き輪で浮かんでみたり始めてシュノーケルや足ヒレをつかって軽く潜ったら海の中はとても綺麗だった。久しぶりの海と水着。久しぶりに張り切って買ったビキニはコパパーナあたりの、藍のデニムだけどかなり悩殺的でお尻が半分丸見え、海にくり出してからわかったのだがビキニパンツは前後ろ反対にはいてしまっていた。露出狂。帰ってからも姑くはS氏達の今年の海の話題の中には私の水着姿が「あの島の伝説になってる」とからかわれていた。
発病して皮膚の様子がすっかり変わった。ひどい蕁麻疹や色素沈着、とにかく超敏感肌でうっかり日光にあたったり、ちょっと痒いなと思ってもそのひと掻きが蕁麻疹を呼んで本当にひどい痒みに長時間乗っ取られてしまう。つらい。病院に行っても薬を飲んでも全くだめだった。毎日どこかかしこが痒くて夜も眠れず恐怖さえ感じた。よく泣いた。
夏でもがんがん火を使う厨房は暑い!タンクトップで仕事をする。久々にあう人あう人から「日焼けしたね、どこかいったの?」と聞かれるのはちょっと辛かった。わざわざ説明しないで「そおそお」って笑ってすませるというウソを変なとこで馬鹿正直な私はつく事が出来なくて「病気のせいで色素沈着起こしているだ」と言ってしまう。明るくない室内でみると良く分からないけど、自然光に当たるとまんべんなく綺麗に黒いのではなくまだらに汚く黒ずみ、日焼けを大失敗したかのような肌の色をしている。背中や首、肩、腕と見えないけど全身黒ずんでいる。裸になると悲しくなる。それまではどちらかというと白い方だった。大きく胸元や背中の開いたデザインの洋服が大好きだった。私は引き出しの中に大好きだったのにもう着る事が出来ななってしまったフレンチスリーブの花柄のブラウスを見るとため息をついてしまう。胸のラウンドが大きくくって
いてちょっと危うい。友人に「確信犯ね」と言われながら初夏の鎌倉材木座の砂浜に遊びに行った。華やだった夏はキラキラ輝いてそしてどんどんと遠くなっていく。私は過去の夏を割り切れないままにいる。それでもやっぱり夏は今年もやってきて私は今年も海に行きたい。入院前街で大きな籐のバッグを買った。夏の用意をいっぱい詰め込み鎌倉の砂浜に行く。やきそば食べる?カレーライス?なぜか普段は興味のないフランクフルトも魅力的だったりする。日が傾き待っているのは帰る時間。うんざり疲れて歩く帰り道とだるい電車。それでも行きたい。遠く続く水面の光りと波の繰り返し、音。いつか海のそばで暮らせたなら。